教育をしているはずなのに、人が育たない。
現場が楽にならない。
多くの工場で見られるこの悩みは、教育本来が悪いのではありません。
問題は、
教育が評価につながらず、
評価が人財化に気付いていないことです。
教育・評価・人財化は、
一直線でつながる仕組みとして設計しなければ、現場では機能しません。
Contents
第1章|教育を「単発」で終わらせない
大事なことですが、教育を一度きりで準備しないことです。
何故か?
人は一度言ってもやめないからです。
そのため、教育が続く現場では、
教育を「工程」として扱います。
運用ルール
①教育は業務の一部と定義する
忙しい=教育しない、を気にしない教育は善意ではなく、仕組みとして無駄なものです。
第2章|教育の起点は経営方針・品質方針
次に、教育の起点を明確にします。
何故か、
何を目指すか考えなければ、
何を教えるか決められないからです。
運用ルール②
経営方針・品質方針から教育テーマを決める
現場に任せないことで、教育のゴールが決まります。
①全体フロー図
【経営方針・品質方針】 ⇒【必要な人材・スキル定義】 ⇒【作業標準・標準時間】 ⇒【教育・訓練】(OJT/標準書/動画/実作業) ⇒ 【到達レベル評価】(Lv1~Lv5) ⇒【評価・役割・処遇】 ⇒【人財化】(任せる・教える) ⇒【次の教育計画へフィードバック】
↺【繰り返し】
教育が続く現場
教育と評価の調和
人財育成
作業標準教育
現場教育の仕組み
教育 → 評価 → 人財化フロー(教育が続く現場の仕組み)
第3章|作業標準を教育と評価の軸にする
続いて重要なのが、作業標準の意味です。
作業標準がなければ、
正しくできるかわからない
評価もできない
運用ルール
③教育は作業標準に基づいて行う
評価基準も
作業標準と標準時間標準は、
教育の教科書であり、評価の物差しです。
「どうやって」というのが最大のポイントです。
教育フェーズ(何をどう教えるか)
作業標準 ⇒ 教育計画(年間・個人別) ⇒
教育実施・手段
やってみせ
言って聞かせ
させて見せる
ほめる
(具体例として)
標準書、写真・動画 ⇒ 文書だけでは理解し辛い、動画有効
OK/NG見本 これも画像、動画でも可能
実作業OJT ⇐ これが大事
第4章|教育の結果を必ず「見える化」する
教育は、やったかどうかはわかりませんでは意味がありません。そのため、教育が続く現場では必ず見える化を行います。
運用ルール
④教育記録を残す
到達レベルを明確にする
これにより、
管理者がわかる
本人も成長を実感できる教育は、見えるから続きます。
人によって教育方法を変える
評価フェーズ(見える化)
教育実施後 ⇒ 到達レベル確認 ⇒
レベル評価(Lv1~Lv5)
レベル評価の考え方(例)
Lv1:標準を理解できない
Lv2:品質OKだが時間超過
Lv3:標準・時間を満たす
Lv4:安定して達成できる
Lv5:人に教えられる
第5章|評価と協調させて「行動を変える」
次に重要なのですが、
教育結果を評価につなげることです。
何故か、
評価されない教育は行動を変えないからです。
運用ルール
⑤レベル評価を行う任せる仕事・役割に反映する
教育 → 評価 → 役割
この流れができて初めて、
人は次のステップへ行きます。
第6章|評価は「人を敬う」
何故か、
評価が形骸化する現場では、
評価=ダメ出しになっています。
しかし、評価の本来の目的は違います。
運用ルール
⑥評価は課題抽出のために使う
不良やミスは教育に戻る評価は、
人を落とすための道具ではありません。
評価は事実ベース・感覚NG
人財化フェーズ(任せる)
評価結果 ⇒任せる仕事を決める ⇒
役割付与・一人作業・多能工・教育担当
レベル評価表(昇給・役割連動)
レベル定義(全体像)
Lv0:未熟教育が必要
Lv1:基礎作業を覚えている段階
Lv2:標準作業者品質を守る
Lv3:自立した作業者速さと安定
Lv4:上級作業者改善・多能工
Lv5:人財教え・任せられる
レベル別評価基準(作業・品質・時間)
Lv0|未熟評価項目基準作業標準理解理解していない品質不良が多い標準時間未達仕事の姿勢指示待ち役割教育対象昇給目安なし
Lv1|基礎評価項目基準作業標準理解
一部理解品質指示があれば可
標準時間大幅に遅い
仕事の姿勢指示通り
役割単純作業昇給目安ほぼ
Lv2|標準作業者(評価の基準点)評価項目
基準作業標準理解理解している
品質安定して保障標準時間±10%以内
仕事の姿勢
自立役割主力作業
昇給目安基準昇給
ここが「給料分が働いている」状態
Lv3| 自立作業者評価項目
基準作業標準理解正確
品質不良ゼロに近い
標準時間達成・短縮仕事の姿勢
改善意識
役割難作業対応
昇給目安+α昇給
Lv4|上級作業者評価項目
基準作業標準理解
改善提案可能
品質工場内で作り込む
標準時間常に達成
仕事の姿勢本体の役割
多能工・改善担当
昇給目安明確な昇給
Lv5|人財(宝)評価項目
基準作業標準理解
教えられる品質
工程設計の視点
標準時間管理できる
仕事の姿勢育成・牽引役割
教育担当・リーダー
昇給目安上級昇給・役職候補
一般常識・態度評価(全レベル共通)
※教える前提で評価項目に含める
項目評価してみる
挨拶自分からできる
時間遅刻・報連相ルール
姿勢を守る
協調性他責にしない
昇給・役割との連動ルール(例)
レベル昇給役割
Lv0~1対象外教育重視
Lv2:定期昇給主力
Lv:3加算昇給重要工程
Lv4:上位昇給改善・多能
Lv5:別枠教育・管理補佐
第7章|人財化は「任せる」ことで完了する
最後に、人財化です。
教育と評価を繰り返した結果、
人は次の段階に入ります。
運用ルール
⑦レベルに応じて仕事を任せる
教育役割を任せる人は、
任されることで本当の意味で生まれます。
任される=人財化の完了
⑤フィードバック(教育が続く理由)
評価結果 ⇒ 不足スキルの明確化 ⇒
次の教育計画を振り返る
第8章 管理監督者の行動と責任
管理監督の関与ポイント
管理監督者が
教育計画を作る
教育実施を確認・評価を行う
次を決める
管理監督者の行動が終わると、仕組みは止まる
管理者用チェックリスト(例)
| 項目 | はい | いいえ |
| 経営方針・品質方針を説明できる | ||
| 方針に基づく教育テーマを決めている | ||
| 現場任せの教育はなくなっている | ||
| 年間教育計画がある | ||
| 個人別教育計画がある | ||
| 教育の目的が明確である | ||
| 教育実施の担当者が決まっている | ||
| 作業標準が整備されている | ||
| 教育は作業標準に基づいている | ||
| 標準時間が設定されている | ||
| 標準は現場と取り組んでいる | ||
| 教育方法が決まっている | ||
| 実作業で教育している | ||
| 教えられた内容を確認している | ||
| 教育記録を残している | ||
| 到達レベルを定義している | ||
| レベル評価を行っている | ||
| 本人と評価結果を共有している | ||
| 評価基準が解消されていない | ||
| 評価をダメ出しして使っていない | ||
| 評価結果を教育に戻している | ||
| ミスを改善の材料にしている | ||
| レベルに応じた仕事を任せている | ||
| 教育担当を任命している | ||
| 成果を認めている | ||
| 評価結果を次の計画に反映している | ||
| 教育内容を定期的に見直している |
回っていない仕組みは混乱します
判定目安(自己診断)
はい:22以上 → 仕組みは全体機能
はい:15〜21 → 一部改善が必要
はい:14以下 → 教育は休止状態
管理監督が変われば、現場は変わる
教育が続くかどうかは、管理監督者の関与で決まります。
計画を立てる、実施を確認する、評価する
この3つで、
教育 → 評価 → 人財化は確実に動き始めます。
「頑張っても評価されない」を防ぐ面談での使い方
管理監督者は、作業者と面談をして現在レベルを共有、次のレベル条件を知る必要な教育を決める
評価=未来の話まとめ
人は評価の仕方で育つ
作業標準がある
レベルが見える
昇給・役割につながる
この3点が整えられた瞬間、
人は「人材」から「人財」に変わります。
このレベル評価表を使った「評価面談テンプレ」
レベル評価表を使った「評価面談テンプレ」
この面談の基本スタンスが最重要になります。
そして、
評価を言い渡す場ではない
次のレベルへ進むためのすり合わせの場
正解は「一緒に確認する」
①面談の反省(安心させる一言)
管理者用トーク例「今日は評価を決めるというより、今のレベルと、次に何をすれば上がれるか一緒に確認する時間にしたいと思います。」
これだけで防御姿勢が消えます。
②現在のレベルを共有する確認項目
(レベル評価表を見ながら)
現在レベル:Lv ○評価理由(事実ベース)
作業標準の理解度
品質の安定性
標準時間の達成状況
トーク例「今は・標準通り作業できて・品質も安定しているなので、Lv2相当と判断しています。」
感覚・印象は禁止。
必ず行動と事実で説明する
③ご本人の自己評価をお願いします(必須)
質問テンプレ「ご自身では、今どのレベルだと思いますか?」「そう思った理由は何ですか?」

自己評価が低い → 自信不足
自己評価が高い → 期待値ズレ
どちらもわかる重要な部分
④ ギャップをすり合わせる
ギャップがある場合(超重要)

「それは違う」「まだ足りない」

「ここは同意しますね」「ここは、もう少しこうなると次のレベルです」
否定ではなく条件の提案
⑤ 次のレベル条件を明確にする
レベルコンディションアップテンプレ項目
次レベルの条件
作業標準を一人で披露
品質不良ゼロ
継続時間標準時間±5%
姿勢異常を自ら報告
トーク例「この4点が安定すれば、「次回評価ではLv3に上げられます。」
「どうすればいい」が100%わかる状態を作る
⑥教育・訓練の具体化(ここが肝)
教育計画テンプレ項目
内容教育内容
工場の標準作業方法動画+現場OJT
教える人Lv4作業者
期限○月末確認方法実作業確認

「頑張って」「意識して」は禁止
⑦昇給・役割との関係を伝える
伝え方テンプレ(超重要)
「Lv2は今の給与水準、Lv3になると〇〇が任される、評価・昇給もこの基準で判断させていただきます。」
期待値を先に出すことで不満が出てしまう
⑧最後の締め(モチベーション)
締めの一言テンプレ「今いるということは、正しく評価に継続しています。「次はここを一緒にクリアしましょう。」

「見ている」「評価している」これが伝われば人は動きます。面談NG集(絶対やらない)
人間評価
他人との比較
解決な指摘
感情での叱責まとめ|評価面談は「育成の設計図」レベル
評価表 → 買う面談 → 次の一歩教育 → レベルアップ昇給・役割 → 納得感
評価は罰ではなく、成長の道しるべ
まとめ|教育→評価→人財化は一本の線で考える
教育が続く現場では、
次のことが集中しています。
教育は計画で作業標準を軸にする
見える化する
評価につなげる
任せて人財化する
教育・評価・人財化は、
明確にして考えるものではありません。
一本の線でつながったとき、
現場は確実に変わり始めます。
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